株式譲渡によるM&Aにかかる税金や特徴とは?
株式譲渡や事業譲渡を考える際に、税理士は双方にとって強い味方です。
株式譲渡を検討した際に、かかる税金や特徴を知りたい経営者も多いのではないでしょうか。
本記事では株式譲渡の概要を簡潔に解説していきます。
株式譲渡によるM&Aの特徴
株式譲渡を用いたM&Aは、事業譲渡よりも比較的、買い手と売り手双方への負担が少なく経営権の移行が可能です。
譲渡企業の独立性の維持
株主譲渡は株主の交代により、経営権を引き継げるため、売り手企業の運営実態を大きく変更することとなく、安定的に運営を継続できます。
また、譲渡する株式の数を調整することも可能なため、買い手と協議しながら創業家が引き続き経営を携われるため、社風や文化を残すことができます。
複雑な手続きを要さずにM&Aができる
事業譲渡では株主総会による特別決議を必要とするケースがありますが、売り手側の条件次第で株式譲渡では取締役会決議のみで実行できます。
自社が実施条件を満たしているか税理士に相談の上、検討することをおすすめします。
契約や資産を包括的に承継可能
事業譲渡でのM&Aで必要となる、契約や資産を譲渡する際の取引先からの合意を、株式譲渡は株式譲渡手続きのみで承継が可能です。
売り手や買い手の業務負担を大きく減らすことが期待できます。
株式譲渡によるM&Aで発生する税金
ここでは株式譲渡によるM&Aにおける、税金の負担先や譲渡する株主による税金の違いについて解説いたします。
株式譲渡の場合の税負担者
株主譲渡において、譲渡側が株式譲渡の対価として現金を得るため、譲渡側である売り手が税金を納めます。
譲渡側である株主が個人か法人かによって課される税金の種類が大きく異なります。
譲渡側の株主が個人の場合
個人が株式を譲渡する場合、譲渡所得に対して個人住民税、所得税、復興特別所得税が課されます。
個人の株式売却による譲渡所得は、その他の所得とは分けて課税され、所得に対して一律で20.315%の税率が課されます。
譲渡側の株主が法人の場合
株主が法人である場合、法人税、地方法人税、法人住民税、事業税、特別法人税など、個人の場合とは大きく異なります。
また、法人では年間での事業所得と合算した全体の所得に税金が課され、年間の所得に応じて29%~42%の変動幅があることも特徴です。
まとめ
株式譲渡は例外を除いて、売り手である譲渡側に税金がかかります。
譲渡する際に支払う税金を抑えるには、株価や個人名義か法人名義どちらで譲渡が適切かなど、税制について専門知識が必要となるため、株式譲渡でお悩みの際は税理士にご相談ください。