資産活用事例ケース4|収益悪化による用途変更の検討
■相続した築30年を超える一棟オフィスビル2棟の稼働率と賃料が低下し、修繕費用も増えて収益が悪化してきた。
■周辺では、老朽化したオフィスビルからマンションへ建て替えられている。このままオフィスビル経営を続けて大丈夫だろうか。
■相続で受け継いだ大切な不動産なので、できるだけ保有し続けたい。よい方法はないだろうか
1. 各不動産の現状を把握する
2. 弊社からのご提案
現在のご所有不動産のすべてを継続保有していきたいというD様のご意向を受けて、各不動産を分析した結果、ほぼすべてが継続保有に問題ない物件と判断しました。
ただし「都内のオフィスビル」については、オフィス立地としての優位性が低いことや、投資効果が見込めないため、継続保有をご検討するなら、オフィスビルから住宅への用途変更(コンバージョン)をご提案しました。その場合、工事コストが事業性に大きく影響を及ぼすことから、実際の工事実施については、慎重にご検討いただくことをご理解いただきました。
一方で「ご自宅」および「都心のオフィスビル」については、今後、修繕費等が必要になってくる時期を迎えますので、「都内のオフィスビル」を売却し、その売却代金を修繕費や設備更新費用に充当するなど、その他の保有不動産の価値を維持していく解決策もご提案しました。
3. 提案後の対策
D様は、心配されていたオフィスビル2棟とその他の不動産の状況を確認したうえで、「都内のオフィスビル」の今後についてお悩みでした。
そこで私どもは、ご家族で話し合うための資料として、今後想定される追加投資シミュレーションと売却査定価格の算出、および各不動産の建物修繕計画を策定しました。その結果、「都内のオフィスビル」については多額な修繕工事費等が必要になるうえ、追加投資をしても今後の収益性改善が期待できなかったことから、新たな賃貸募集をせずに、現在の賃借人退去後に売却し、この売却代金を「ご自宅」と「都心のオフィスビル」の競争力回復へ向けた修繕費用に充てることを決断されました。
今後は、売却のタイミングを見極めるためにも、定期的に資産レポートを作成し、市場動向を確認していきたいとのことでした。