相続対策事例ケース3|不動産の現状把握と相続対策①
■複数の不動産を所有している高齢の父親が、相続対策を全く行っていない。
■代々引き継いできた所有不動産はできれば売却したくないが、相続税負担がどの程度になるか心配。
■二次相続のことをまで考えると、できるだけ相続税を抑える対策をしたい。
1. 各不動産の現状を把握する
2. 弊社からのご提案
代々引き継がれてきたご自宅周りの不動産は守りたいとのご意向でしたが、「月極駐車場」や「借地権付き土地」など、相続税評価額の圧縮効果の少ない不動産が中心だったため、一部不動産の売却をご提案しました。
また、ある程度の金融資産をお持ちとのことから、相続時の納税対策や分割対策も視野に、都心部のタワーマンション複数戸の購入もご提案しました。「ご自宅」と「ご自宅隣接の月極駐車場」は一体利用による利用価値・資産価値の向上が見込めることから守るべき資産と位置づけ、将来的な活用もご検討いただくようお勧めしました。
一方、「借地権付き土地」は時価評価額と流通性が低く、相続税評価上はマイナスに働く不動産であるため、早期対策が必要であることをご説明しました。そのうえで、「隣接する月極駐車場」との一体利用による利用価値・資産価値向上が見込めることから、お父様がご健在のうちに借地権の買取り交渉を始めることをお勧めしました。
3. 提案後の対策
H様は資産レポートをもとに、ご両親とご兄弟間でご所有不動産を今後どのようにしていくか話し合われ、最優先の課題として現預金の一部を新たな不動産購入に充て、相続税対策を進める方針で意思の統一を図られました。ただし、抵抗感のある都心部のタワーマンションではなく、ご自宅から近い立地の低層マンションの購入を現在検討中です。
また、「借地権付き土地」の借地権の買取りについては、お父様同席のうえでH様と借地権者の方とで話をされることになりました。H様からは、相続財産の分割対策について話し合いを進めていく必要があることを親族全員が認識できたことが最大の収穫であったとのお言葉をいただきました。今後、低層マンションの購入については、当社の意見を参考にしながら戸数や予算感などに関して親族間で協議されていく予定です。