相続対策事例ケース1|低収益不動産の組み換え
■自宅近隣にあるアパートは老朽化に伴い、手取り額が目に見えて減ってきている。
■月極駐車場は、住宅メーカーなどから賃貸アパート建築をはじめとする有効活用提案を受けているが、「有効活用」と「他の不動産への組み換え」との選択に悩んでいる。
■保有する不動産の相続税評価額と収益性に大きな開きがある。円満な遺産分割をするにはどうすればよいのだろうか。
■今後の生活資金と相続税の納税資金を準備しておきたい。
1. 各不動産の現状を把握する
2. 弊社からのご提案
ご所有不動産を多角的な視点で分析した結果、いずれの不動産も「流通性」については大きな問題点はありませんでした。しかしながら、「アパート」と「月極駐車場」については、収益性と相続税評価額の圧縮効果が低いことから、対策を検討する必要がありました。「アパート」については、追加投資をしても市場競争力の改善が見込めないと判断しました。
一方「月極駐車場」は流通性が高いことから「有効活用」と「売却」が選択できましたが、安易に住居系建物を建てるのはリスクが高いこと、また同エリアにはすでに福祉・医療施設等が多数運営されており、新規参入は難しい状況だったことから、「アパート」と「月極駐車場」を売却し、ご所有されている「一棟マンション」と同程度の収益性と相続税評価額が見込める一棟マンションへの組み換えをご提案しました。
これにより、お子様たちへの遺産将来の分割においても公平性が保たれると考えます。なお、ご自宅については今後の方針をご家族内から話し合われることをお勧めしました。
3. 提案後の対策
資産レポートの結果をもとに、二人のお子様と将来についての話し合ったE様は、追加投資しても収益改善の可能性が低い「アパート」と、収益性が低いことや、新たな借入による有効活用には不安があったことから「月極駐車場」の売却を決断されました。この2物件の売却金を元手に、将来の相続に備え、ご所有されている「一棟マンション」と同額程度の相続税評価額と高い収益性が得られる一棟マンションへの組み換えを実施しました。
ご自宅については、将来的にもお子様たちに利用する意思がないとのことから、先々の売却や分割に備えて測量を済ませておくことにしました。
資産の組み換えにより収益力の改善を図り、相続への不安を解消されたE様は、今後も自宅の売却時期の見極めや2つの一棟マンションの資産価値を把握するために、定期的に弊社の資産レポートを依頼したいとのことです。